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    神弓-KAMIYUMI

    神弓-KAMIYUMI

    映画「神弓-KAMIYUMI」は2011年に韓国で製作され、2012年に日本で公開された歴史アクション大作だ。製作費は約90億ウォンで、CGは使われていない。韓国では約800万人の動員を記録し、2011年のナンバーワンヒット作となった。監督・脚本はキム・ハンミンが務め、主演には「殺人の追憶」のパク・ヘイルが起用され話題となった。本作でパク・ヘイルは韓国のアカデミー賞にあたる、大鐘賞映画祭において男優主演賞を受賞した。原題は「最終兵器 弓」。また本作は、2011年10月に行われたロンドン韓国映画祭において、開幕作に選ばれた。

    ストーリー

    主人公のナミと妹のチャインは仲の良い兄妹だった。ある日、二人の父に逆賊の疑いがかけられ、朝廷の討伐隊に屋敷を襲われてしまう。父はナミに幼い妹チャインと家宝の神弓を託し、自らの命を犠牲にしてわが子を逃がした。命からがら逃げ切ったナミは、父の友人であるキム・ムソンに助けを求める。ムソンは二人の兄妹を匿い、彼らはムソンの息子であるソグンと共に、ひっそりと暮らしてゆくのだった。

    それから月日は流れ、13年後。兄のナミは弓の名手へと成長していた。愛する妹の幸せを望み続けて生きてきたナミ。ついにその幸せの日がやってくる。チャインとソグンの婚姻の日だ。父から託された妹を守るという使命を今やっと果たせたとばかりに、笑顔を見せるナミ。チャインをソグンに託し、結婚祝いの靴を置いてナミは去ってゆくのだった。

    しかし、幸せの時も束の間、チャインとソグンの結婚式に清軍が侵攻してくる。山中で清の大軍を目撃したナミは急いで村へと戻るが、すでに村は襲われた後だった。生き残った村人を奴隷として連れ去ってゆこうとする清軍を、ナミは追いかける。その手には父から受け継いだ神弓があった。ナミは襲ってくる清軍の兵士を、その弓で次々に倒してゆく。

    一方、ナミの弓に倒れた兵の亡骸を興味深げに見る兵士がいた。清軍の名将チュシンタだ。彼もまた弓の名手だった。チュシンタは兵の亡骸を見て、敵であるナミが相当な弓の腕を持つことを悟る。

    そのころチャインの夫ソグンは、下男たちと捕虜となっていた。捕虜たちをわざと逃がし、それを狩って楽しむ清軍の兵士たちにソグンは一人立ち向かう。激昂した清の兵士たちは次々にソグンに襲いかかってくる。もはやこれまでかと思われたその時、一本の矢が清軍の兵士を倒した。ナミが到着したのだ。これをきっかけに捕虜たちは反撃に出る。そしてついに一つの小隊を捕虜が全滅させるのだった。

    ソグンを無事助け出したナミは、共にチャインの救出に向かう。チャインはその美貌をかわれ、清軍の総大将・トルゴン王子の宿舎に召し出されていた。必死で抵抗するチャインのもとに、兄ナミとソグンが到着する。ナミは王子を人質に、ソグンと逃げるようチャインに言う。しかしチャインは自分も戦うと譲らない。後で落ち合うことを約束し、脱出するナミ。チャインは王子に火を着け殺してしまう。

    一方、清軍の名将チュシンタは、捕虜によって全滅した小隊を発見する。敵に弓の名手がいることを確信したチュシンタは、急いで陣営に戻る。しかしそこには無残にも焼き殺された王子の亡骸が残るだけだった。

    王子の仇をとることを誓ったチュシンタは、弓小隊を率いてナミたちの追跡を始める。どこから飛んでくるのか判らない「曲射」を使うナミと骨をも砕く破壊力の「ユクリャンシ」を使うチュシンタ。二人の直接対決はどちらに軍配が上がるのか…。

    キャスト・スタッフ

    • 監督・脚本…キム・ハンミン
    • 音楽…キム・テソン
    • ナミ…パク・ヘイル
    • ジャイン…ムン・チェウォン
    • チュシンタ…リュ・スンリョン
    • ソグン…キム・ムヨル
    • ノガミ…大谷亮平

    満州語

    本作では、歴史に忠実にするため、清の兵士たちの台詞はすべて満州語になっている。満州語は満州族が話す言語でツングース諸語の一つ。満州族の文化が中国文化と融合・同化していくにつれて失われていった文化の一つである。満州語の話者は満州族の間でも現在では極めて少なく(20人~70人)、消滅の危機に瀕する言語の一つとされている。満州語の語順は韓国語や日本語と同じで、よく似た単語も多い。撮影に際し、清の兵士役の役者たちは、一言二言しか台詞がない俳優も含めて全員が満州語の講習に参加し、発音の特訓をしたそうだ。ちなみに主人公のナミと妹のチャインは、清の人間ではないが、父親に教えてもらったので満州語が話せる、という設定になっている。

    受賞歴

    大鐘賞映画祭

    • 男優主演賞…パク・ヘイル
    • 映像技術賞…ハン・ヨンウ
    • 音響技術賞…チェ・テヨン
    • 新人女優賞…ムン・チェウォン

    青龍映画賞

    • 主演男優賞…パク・ヘイル
    • 男優助演賞…リュ・スンリョン
    • 新人女優賞…ムン・チェウォン
    • 韓国映画最多観客賞

    感想

    韓国映画といえば恋愛モノだと思っていた。「私の頭の中の消しゴム」や「猟奇的な彼女」は、普段映画を見ない人でもその名前を知っている程有名だ。この作品は、そんな韓国映画の概念を覆す、アクション大作だ。監督のキム・ハンミン氏は「この作品は史劇だが現代劇を上回るスリルとスピードのあるアクションにしたかった」と語っている。監督の思惑通り、手に汗握る展開と迫力のアクションに魅了される仕上がりとなっている。特筆すべきはやはり、主人公ナミと名将チュシンタの攻防戦だろう。弓同士の戦いということで、鑑賞前は正直あまり期待していなかったのだか、“技”と“力”それぞれの戦い方の違いや、接近戦とは違った緊迫感がとても良かった。韓国の歴史に疎い人でもすんなりとストーリーに入ってゆけるよう、不要な説明を避け、闘いのシーンに重きを置いている点にも好感が持てる。劇場のスクリーンと大音量で見なければ勿体無い作品だ。

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